無料のネットショップ作成サービスが人気を集めています。これまでECを始める際にネックになりがちだった初期費用・月額費用が無料ということで、誰でも手軽に取り組めるのが特徴です。
しかし、無料のサービスは利用するにあたって本当に問題ないのか、疑問や不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。無料ネットショップのメリット・デメリットについて整理してみました。
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無料ネットショップとは
この記事で扱う「無料ネットショップ」とは、初期費用・月額固定費が無料のネットショップ開業サービスを指します。テレビCMや動画サイトなどの広告で「BASE(ベイス」」や「STORES(ストアーズ)」を知ったという方も多いのではないでしょうか。
費用がかからないということに加え、Webの専門知識がなくてもスマホまたはパソコンがあれば簡単にショップを立ち上げられるという点も魅力のひとつです。
2021年現在、無料ネットショップの代表格といえるのが「BASE」と「STORES」です。どちらも有名タレントをCMに起用しており、知名度や利用者数でも飛び抜けた存在です。
無料ネットショップのメリット
無料で始められる
無料ネットショップの最大のメリットは、言うまでもなく「無料で始められる」点です。有料のネットショップ(BASE・STORESと同じカート型のもの)の場合、初期費用と月額費用がそれぞれ数千円〜数万円かかるのが一般的です。
例えば、カラーミーショップの場合初期費用3,000円・月額費用834円〜、futureshopでは初期費用22,000円〜・月額費用22,000円〜となっています。サービス内容が異なるため一概には言えませんが、試しにネットショップをやってみたいという初心者の方にとってこの価格はそれなりのハードルに感じられるのではないでしょうか。
無料ネットショップではこうした初期費用や月額費用は「0円」です。実際にショップで商品が売れた際や売上金を自分の口座に振り込む際に手数料がかかりますが、お店を立ち上げて商品を並べるところまでは無料で行なえます。
これまでネットショップの運営経験がない方にとっては、無料で始められるのは大きなメリットと言えるでしょう。
簡単・手軽にショップ作成できる
無料という点に加えて、簡単・手軽にネットショップが作れるというのも大きな魅力です。
BASEを例にとると、「メールアドレス」「パスワード」「ショップURL」の3項目を入力するだけでショップを新規開設できます。メールアドレスの認証やショップ情報の入力を含めても、数分〜10分程度あればできてしまいます。
商品を登録する際に必要な入力項目も「商品名」「価格」「商品説明」「在庫数」「商品画像」などごくわずかです。スマホやパソコンの操作や文字入力が普通にできる方であれば、特に難しいことはありません。
ショップのデザインは、無料のオフィシャルテーマまたは有料のデザイナーズテーマから選んで設定します。HTMLによるカスタマイズにも対応していますが、特にこだわらないのであればテーマのなかから気に入ったものを選択するだけでOKです。
プログラミングやセキュリティ・HTML/CSSなどの専門的な知識・技術がなくても、簡単・手軽に見栄えがよいショップを作成することができます。
基本的な機能が揃っている
無料のサービスだから機能的に有料サービスより劣るのでは?と思うかもしれませんが、BASEでもSTORESでもショップ運営に必要な基本的な機能は揃っています。
BASEの場合は、必要な機能を「App」という拡張機能を追加する形で利用できます。BASEロゴの非表示化App(500円)など一部有料のものもありますが、多くのAppが無料で利用できます。配送日指定やInstagram連携、英語・外貨対応など非常に種類豊富です。
STORESも、大半の機能が無料プランに含まれています。ただし、代引きや独自ドメイン・サービスロゴ非表示化など一部の機能は有料プランのみとなります。
どちらのサービスも、無料なのでできることが限られるという印象はありません。初めてのネットショップ運営であれば、機能面に不足を感じることはおそらくほとんどないでしょう。
無料ネットショップのデメリット
完全無料で運営できるわけではない
BASEやSTORESは初期費用や月額固定費は無料ですが、すべてが完全に無料というわけではありません。商品が売れるごとに決済手数料やサービス利用料がかかり、売上を口座に振り込む際にも振込手数料・事務手数料がかかります。
BASEの場合は、注文ごとにBASEかんたん決済手数料として3.6%+40円、サービス利用料として3%がかかります。STORESの決済手数料は5%です。
振り込みの際、BASEは振込手数料250円と事務手数料500円(振込額が2万円以上の場合は無料)、STORESは振込手数料275円と事務手数料275円がかかります。
売上規模がある程度大きくなると、月額費用が固定になっている有料のサービスのほうがコストが低くなるケースもあります。将来的な規模拡大を視野に入れている場合、この点を考慮しておく必要があります。
集客力が弱い
ネットショップを開設した途端にどんどん商品が売れていくということはなかなかありません。楽天などの大手モールへの出店であればモール内検索からある程度のアクセスを得られる可能性がありますが、無料ネットショップを含めた自社ECでは基本的に全て自力で集客する必要があります。
ネットショップへの集客は、有料広告を使う方法と、ブログやSNS・動画などお金をかけずにできる方法があります。
ブログやSNSで情報発信しショップへと誘導する方法は、コツコツと継続的に取り組む必要があり、成果に結びつくまでにはある程度時間が必要です。即時的に成果を得たいのであればリスティング広告やディスプレイ広告などの有料広告が効果的ですが、予算配分や適正入札単価などの判断が求められます。
最近は、SNSのフォロワーに向けて新商品をライブ配信で紹介して成果をあげているショップもあるようです。若者向けの商品ではTikTokを活用するケースも増えてきています。商品ジャンルやターゲット層によっても異なりますが、このような新しい手法も柔軟に取り入れながら集客に取り組んでいくと良いでしょう。
自由度が低い
無料ネットショップは基本的な機能はひと通り揃っていますが、自由度という面では有料サービスに及ばない部分もあります。
例えば、BASEもSTORESも1アカウントで複数の店舗を運営することができません。「バッグのお店」「アクセサリーのお店」というように商品ジャンルなどによって別のお店を立ち上げる場合、受注管理や売上金の出金手続きなどお店ごとに管理画面にログインし直して行う必要があります。
他にも、独自ドメインを使用する場合に制約があります。BASEの場合はサブドメイン形式でないと設定できません。「○○○.●●●.com」はOKですが、「●●●.com」はNGです。STORESの場合、STORES内で新規取得した独自ドメインのみOKで、外部からSTORESにドメインを引き継いだり、STORESから外部へドメインを移管することはできません。
無料ネットショップは初めてのショップ運営には良い選択肢ですが、ある程度ショップ運営の規模が大きくなってくると不自由に感じられる点が出てくる可能性があります。
無料ネットショップは本当に問題ないのか調べてみた まとめ
BASEやSTORESのような無料ネットショップは、「初期費用・月額固定費が無料」「簡単に利用できる」「基本的な機能が揃っている」という点でネットショップに初めて取り組む方には非常に魅力的なサービスです。ただし、集客方法については考えておく必要があります。長期的なお店の成長を視野に入れると、ある時点からはコストが割高になったり機能的に不満が出てくる可能性もあるため、その点を踏まえて無料ネットショップを利用するか他の有料サービスを選ぶか判断するとよいでしょう。
立上げや新規オープン時に開店をどうするか、肝心な商品登録はどうするかなど様々な決める事多い事も事実。専門の商品登録代行 業者へ依頼するのも選択肢の1つです。